フランスで復活!手書き文化

2018年03月04日(日) #贈り物のお話


ITが発達し、メールやチャットでメッセージを送ったり、通信することが当たり前の時代になりました。

この時代に、フランスでは手紙やメッセージカードといった手書き文化が復活の兆しを見せています。

 

フランスで復活!手書き文化

 

アイコンフランス人が手書きを選ぶワケ

技術革新で発展を続けてきたわたしたちの時代は、便利さ=速さの時代ともいえます。

コミュニケーションに関して言えば、メールは瞬時に通信ができますし、チャットは相互交流がインスタントにできます。ラインは相手が読んだかどうかまで確認ができます。

メッセージのやり取りの速さでは、こうしたITによるコミュニケーションに比べ、“スロー”の代表格である手紙やカードを使う手書きは勝ち目がありません。

しかしながら、現代は、“スロー”であること、時間をかけること、が一つの贅沢となっています。

手書きでのやりとりは、かつての主目的であった用件を伝えるという役割を果たすだけではなく、もっと贅沢でより豪華な役割を果たすものとしてフランスではその価値が再発見されているのです。

 

その贅沢で豪華な役割とは、そう、送り手の個性化を演出してくれることです。

使われる文房具、書かれた文字や絵、かけられた時間、選ばれた礼儀作法と、書き手が意識的であろうとなかろうと、メールに比べて手紙は書き手の個性が滲み出ます。相手との関係性で生まれる日常の瞬間をとらえた作品といっても過言ではないでしょう。メールやチャットが普及し、多くの人がその利便性と没個性化を体験したからこそ、手書きの贅沢で豪華な役割を発見したのだといえます。

このため、手で書くという行為のマスト品である紙や万年筆、あるいは手帳といった文房具も、昔以上に書き手のアイデンティティーと同化し、“わたし”を伝えるアイテムとになっています。

 

フランスでは次第に手紙や手書きの価値を再発見する中で、使用する文房具の由来や物語、使う材質が本物志向であるかどうか、伝統的な礼儀作法の歴史はどんなものだったか、といったことに興味を持つ人が増えてきています。手紙を書く紙一つをとっても、昔の職人的な技術で作られているものに次第に人気が出てきているのです。

 

パリ左岸のデパートのボンマルシェでは、職人の手仕事で作られた紙が売られています。しばらく前までは、文房具はデパートの地下で売られていましたが、今では注目されやすいアールヌーボー様式のガラス天井のあるスペースに移し替えられています。

さらに、手紙やメッセージカードの礼儀作法のガイドブックの売れ行きも好調です。カリグラフィーもブームになっています。手書きの再発見は、同時に、礼儀作法にかなった心ときめく素敵な方法で書くということが望まれるようにもなってきたということなのです。

そして、各種イベントの招待状も手書き風のものが工夫され発送されています。 手書きのような浮彫の招待状(浮彫の招待状はフランスでは最も格式あるものとみなされ、正式な招待状は浮彫にします)を受け取れば、誰でも自尊心がくすぐられてうれしいものです。ベルサイユ宮殿での夜会、骨董市の開会式への招待状、ディオールやエルメスのイベント招待状など、みなイベントそのものも心をくすぐられるものばかりですが、手書き風の招待状はその効果を発揮するのにもってこいなのです。

 

 

アイコン各メゾンが文房具シリーズを発表

こうした流れを受け、各メゾンも様々な商品のラインナップを展開しています。

これまではモンブラン、デュポン、カランダッシュといった限られた専門会社のものと思われていた分野に、デラックス産業が進出し始めました。

 

エルメスは Nautilus を発表しています。非常に斬新な万年筆、これは日本のパイロットとオーストラリアのデザイナー Marc Newson のコラボで実現しました。 Nautilus はやっぱり旅のアイデアなんですね。日常性から抜け出す、そして使っているうちに次第に自分のものになってくる、というコンセプトです。こうしてエルメスにも、筆記のために必要なものが、万年筆から手帳、メモ用紙などが一揃いし、手提げかばんやハンドバックあるいは旅行用スーツケースに入れていけるようになりました。

エルメスにはスカーフと同じ絹の記事で飾られた絵葉書もあります。

 

ルイ・ヴィトンは、数年前にインテリの町といえるサンジェルマンに筆記用具のためのポップアップストアを開きました。そこでは書物の収集家であった Gaston-Louis Vuitton の資料の横にルイ・ヴィトンの手帳、万年筆、便箋などが並びました。その後次第にレパートリーが増え、今ではルイ・ヴィトンでも多くの万年筆、インキ入れ、便箋メモカードなどが販売されています。

 

銀器のChristofle は手帳としおりが入っているBookle という贈り物にできる箱を販売しています。 コンセプトストアともいえるコレットやメルシーでも様々な種類の紙がお店に並んでいます。 香水屋のDiptyque ではメモ用紙が幾何学模様で売り出されています。また、昔の伝統をよみがえらせ、開けると香水が香る封筒とともに売られています。

 

世界規模で動くデラックス産業の一方で、長い歴史と伝統に培われた技術とデザイン力のメゾンもその価値を再発見されています。

そのうちの一つが、1890年パリで創立したフランス老舗文房具店アルモリアル・パリです。知る人ぞ知るこの文房具メゾンは、古典的なものから、現代の文化にあわせたポップなものまで、メッセージカードやノートや各種皮用品をプレタポルテでご用意しています。同時に、基本のオーダーメイドに柔軟に対応しているのが老舗文房具メゾンの強みです。人とかぶりたくないけれども一流の美しい文房具をお求めの方にはもってこいの文房具が勢ぞろいしています。⇒アルモリアル・パリの文房具はこちら

 

みなさんもこだわりの文房具で時間をかけた“手書き”というコミュニケーションをしてみてください。やりとりする相手との心の距離がより一層縮まるかもしれませんね。