第一回 マリー・アントワネットの素顔:母として

2017年8月21日(月) #贈り物のお話


ロココの女王、赤字夫人、フランス王妃―。

 

マリー・アントワネットを形容する言葉はたくさん遺されています。

 

在世中から現在まで、200年以上、フランス国民はじめ、多くの人の賞賛と非難、うわさ話、唄や手紙、本の中で描かれ、語り継がれてきたマリー・アントワネット。

 

このコラムでは、様々な逸話から、彼女の魅力や一人の女性としての素顔に迫っていきたいと思います。 今回は、母親としてのマリー・アントワネットについてです。

 

マリーアントワネット

 

マリー・アントワネットには、4人の子どもがいました。

 

1778年12月19日に待望の第一子であるマリー・テレーズ、1781年10月22日に王位継承者として待ち望まれたルイ・ジョセフ、1785年3月27日にルイ・シャルル(ルイ17世)、そして1786年7月29日にソフィー=ベアトリス。

 

 

このうちの一人、マリー・アントワネットが"Chou d'amour”(愛するおちびちゃん)と呼んで愛したルイ・シャルルが4歳の時、新人の養育係に次のような手紙を送っています。

 

ここには、母として息子を見守るマリー・アントワネットのまなざしが読み取れると同時に、彼女の教育方針がよくわかるように書かれています。

 

 

「(息子は)感受性が強いため、聞きなれない物音にはすぐ怯えます。たとえば犬を怖がりますが、それはすぐそばで犬が吠えるのを聞いたせいです。わたしは犬を見なさいと強制したことは一度もありません。なぜなら判断がつくようになれば、自然に恐怖も解消されてゆくと思っているからです。

 

腕力のあるたくましい子がみんなそうであるように、この子も突然怒りを爆発させたときなど大変激烈です。でも反抗心にとらわれているとき以外は、おとなしくてやさしい良い子です。きわめて自信が強く、これはうまく導けば、いつか大きな長所に変えられるでしょう。

 

相手に信頼を寄せるようになるまでは、自分で自分の手綱を抑え、いらだちや怒りを隠してものやわらかで愛想のよい態度を見せることができます。自分から何かを約束した場合は大いに信頼できますが、おしゃべりで、聞いたことをそのまま繰り返し、嘘をつくつもりはなくともしばしば自分の空想を信じ込んで、しゃべってしまいます。これがこの子の最大の欠点で、何としても矯正しなくてはならない点です。それ以外は、繰り返しになりますけれども、とても良い子ですので、やさしい気持ちと、それと同じほどのエネルギーを注いでくだされば、それほど厳しくせずとも容易に指導可能かと思われます。

 

(・・・)

 

 最初から、わたしに大きな信頼をおくように子どもたちを育ててきました。何か悪いことをしたら、必ずわたしに言うようにしつけました。これにあたってわたしは、二人を叱るときでも決して腹を立てているという態度は見せず、ただ彼らの行いに心を痛め、途方にくれているのだと感じさせました。わたしがいったん口に出した言葉は、はいであってもいいえであっても、決して取り消すことはできないのだと、子どもたちにわからせてきたのです。でもそのかわりわたしは、決定理由を子どもたちの年齢なりに理解できるように説明し、単にわたしの気まぐれで決めたわけではないと知ってもらいました。

 

息子はまだ字を読めませんし、覚えは大変悪いほうです。気が散りやすく、集中できません。自分の高い地位については何も知りませんが、これはぜひこのままにしておいてください。自分がだれかということは、いずれすぐわかるでしょう。 また息子は心の底から姉を愛しています。何か楽しいことがあると、例えばどこかへ出かけるとか、贈り物をもらった場合、いつでも真っ先に姉にも同じものを要求するのです。

 

 生まれつき朗らかで、この子の健康のためには、外の空気が大いに必要と思われます・・・・。」

 

 

この頃には、生まれた4人の子どものうち、長男のルイ・ジョセフ、次女で末娘のソフィー=ベアトリスは夭折していました。

 

革命の波が王家を呑み込もうと渦を巻く中、ヴェルサイユ宮殿、そして彼女お気に入りのトリアノン宮殿からチュイルリー宮へと移動させられたマリー・アントワネットにとって、子どもたちはかけがえのない宝物であり、幸福の源泉でした。

 

 

ロココの女王として贅沢と浪費を繰り返し、時に危険な香のする遊びを繰り返したことで知られるマリー・アントワネット。

 

歴史的人物として偶像的に語り継がれる彼女ですが、この手紙からは、世界中の母親と全く変わらない、息子を愛し息子の幸せを切に願う深い愛情を感じますね。

 

母親としてのマリー・アントワネット流子育て術は、現代の子育てにも通じる価値があるのではないでしょうか。

 

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アール・ドゥ・リス

 

 

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